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中小企業の経営者に役立つ記事を書いていきます。

人手不足や働き方改革にどう取り組むか

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インディビジュアルコンテンツの代表の本藤(ほんどう)です。

今回は「人手不足や働き方改革にどう取り組むか」というテーマでお話しします。


多くの中小企業は、今、相反する2つの課題に直面しています。一つは「人手不足」、もう一つは「働き方改革」です。

人手不足」は、多くの業種で深刻です。サービス業では、外国人の就労が、既にあたりまえです。どの業種においても、人材の確保のためには、これまでとは違った人材を受け入れる必要があります。


また、「働き方改革」において「ワークライフバランス」が求められています。企業は、「人手不足」に対処しつつ、同時に、出産・育児・介護に伴う離職、残業の抑制等も実現しなければなりません。

 

残念ながら、対処には「できること」と「できないこと」があります。それも踏まえて、貴社の取組みのヒントになることを紹介します。


1.「できないこと」とは

現時点の直近(2018年8月)の有効有人倍率は、「約1.6倍」です。これは、全求人ですから、製造、建設、サービス、運輸等の業種では、ゆうに2倍を超えています。人手不足は、ここ数年、ますます深刻化しています。「何とかならないのか」と思うところですが、私たちの力の及ばないものです。


また、人手不足を受けて「生産性を上げなければならない」と言われています。生産性については、後ほど触れますが、いきなり、社員に「アウトプットを2倍にせよ」と求めても、それは無理というものです。また、社員が、出産や育児等で離職したり、病気で欠席したりするのも、基本的にコントロールできません。


2.なぜ「働き方改革」なのか

本年(2018年)6月に「働き方改革法案」が成立し、有給休暇の時季の指定等は、中小企業においても、来年4月から対応が必要になります。法対応はともかく、ワークライフバランスにせよ、残業抑制にせよ、昔から言われていたことです。それがなぜ今、企業に求められるようになったのでしょうか。


働き方改革」の背景には、かつて起こった社会問題があります。例えば「同一労働同一賃金」は、正社員の非正規社員の賃金格差の問題、「長残業時間」は、女性の社会進出の増加を受け、インフラの未整備等に不満が高まりました。これらが、政治課題となり、法案として成立したのが今、折しも「人手不足」の時だったということではないかと思います。しかし、今は、掛け声だけではない「真の働き方改革」が求められています。


3.社員を大切にする

社員を大切にする

これは、その気になれば、誰でも「できること」です。

人手不足の中で、働き手を見つけることは、とても大変です。だからこそ、今いる社員を大切にし、「社員がやめない会社」を目指すことは、理にかなっています。

 

「日本で一番大切にしたい会社」で知られる坂本光司先生は、企業経営の使命を「人の幸せを追求・実現すること」と定義し、中でも、一番大切にしなければならないのは「社員とその家族」としています。「社員とその家族」が、商品・サービスを提供することで、はじめて、顧客に幸せをもたらすことができるからです。そして、坂本先生によれば、「人を大切にする会社」は、不況や環境変化に左右されず、長期に渡り好業績を挙げているとのことです(注1)

 

また、Google社は、2012年から約4年に渡り、「生産性向上のための労働改革プロジェクト」を実施し、チームの生産性を高めるための重要な要素を突き止めました。そもそも、グーグルは「成功するためには世界で最高の人材を集めることが大切」と考えていた会社であり、実際、世界中から天才が集まります。しかし、グーグルが、たどり着いた結論は、チームの生産性向上のために最も大切なものは心理的安全性」である、ということでした。

 

心理的安全性」とは、「他人の反応におびえたり、羞恥心を感じることなく、自分の考えや感情をさらけ出すことができる環境・雰囲気」を指します。本来の自分の姿で仕事に向かうことが、高い生産性につながるのです。また、グーグルは、「生産性の高いチーム」の共通点は、「一部の人が発言を独占することなく、全ての人に均等に発言機会がある」「相手の表情や言動から相手の本心を読み取る力が高い」の2点であることも、このプロジェクトを通じて、発見しました(注2)

 

4.まとめ

今後、少子高齢化が進むと、労働力不足はますます深刻となります。一口に「社員を大切にする」といっても、一朝一夕には難しいものです。しかし、過去の成長モデルが通用しない今、社員のポテンシャルに期待することは、あながち間違った方向ではないと思います。
「社員を大切にする」ことに、即効性はないかもしれません。しかし、私たち一人の力では、企業を取り巻く環境を変えることができない以上、私たちが取り得る、もっとも確実な選択肢の一つであると言えると思います。

 

(注1)坂本光司先生の著作には「日本で一番大切にしたい会社1~6」(あさ出版)などがあります。
(注2)グーグルの労働改革プロジェクト(Project Aristotle)は、いろいろなところで引用されていますが、その元は以下のサイト(英語)です
https://rework.withgoogle.com/blog/five-keys-to-a-successful-google-team/