インディビジュアルコンテンツ株式会社 代表ブログ)

インディビジュアルコンテンツ株式会社 代表ブログ

中小企業の経営者に役立つ記事を書いていきます。

危機管理ができている会社は何が違うのか

f:id:h-hondo:20200422005013p:plain

 

インディビジュアルコンテンツの代表の本藤(ほんどう)です。今回は「危機管理ができている会社は何が違うのか」というテーマでお話しします。

 

今、新型コロナウィルスで世の中が大変なことになっています。感染を防ぐためには、人との接触を避けることが必要であり、政府は今、人との接触を8割減らすことを強く呼びかけています。

 

職場において、人との接触を減らすためには、そもそも出社しなくて済むよう、テレワーク等の対応が不可欠です。調査によれば、コロナを期にテレワークの導入が進んだものの、依然として、対応済みの会社は3割弱にとどまっています。対応できている会社とそうでない会社の違いは何でしょうか。

(本稿は、コロナ対応そのものではなく、一般的な危機管理を扱っています)

 

f:id:h-hondo:20200421235749p:plain

f:id:h-hondo:20200422000105p:plain

 

 

1.  想定外のことには対処できない

 

まず、危機管理を考える上で大切なことは「想定外のことには対処できない」ということです。テレワークに対応できた会社は、多かれ少なかれ、テレワークを想定し、事前に準備をしていたことと思います。同調査で、テレワークができない理由として、テレワーク制度の未整備、ICT環境の未整備が上位に挙げられています。対応できていない会社は、テレワークの準備を行っておらず、今、想定外の対応を迫られています。

 

そもそも危機対応は「危機が起こらなければ、対応そのものが不要」になります。コストがかかる分、収益や利益を圧迫します。だからといって、何もしなくてよいということではありません。近年、台風のような災害がほぼ毎年発生し、リーマンショックのような世界的な経済危機も経験しています。何も想定していなかったというのは通用しないでしょう。できた会社とできていない会社の差は、近年の状況を自社のリスクとして認識し、その準備ができていたかどうかと言えます。

 

2. スターバックスの事例

 

危機を想定することの大切さについて、スターバックスの事例を紹介します。

 

今では、世界中で高い顧客サービスを実現しているスターバックス。その成長の過程では、出店を加速するため、一度に大量のスタッフを雇用する必要があり、中には、社会的不適合者、いわゆる問題児が含まれることもありました。現場でも、突然感情を爆発させ、顧客と言い争いになるなど、さまざまな問題が発生していました。スターバックスの上層部は、まず現場で何が起こっているか詳しく調べました。するとそこに一つの発見がありました。


それは、変わったことがなければ、問題児であっても、他の店員と変わらない仕事ができていました。しかし、ひとたび予期していないことに直面すると、急に集中力が途切れ、自制心を失う傾向が見られたのです。例えば、お客が怒鳴り始めると、ふだん穏やかな店員が冷静さを失ったり、大勢のお客がイライラし始めると、追い詰められ、突然泣き出すといったことが起きていたのです。


そこで、スターバックスは、社員が厳しい状況に直面した時、どうすればよいかが書かれたマニュアルを作成しました。そこには、顧客が怒鳴り始めたらどうするか、支払いの列がなりすぎたらどうするかなどが、具体的に記されていました。マニュアルを通じて事前に対処の仕方を理解することで、どんな店員も、厳しい状況を乗り越えることができるようになったのです。

 

 

3 . リスクをコントロールする

 

私は、ぶっつけ本番が苦手なので、不安だと思った時、この話を思い出し、事前に準備をするようにしています。もちろん、すべてのリスクを想定することなど不可能です。コロナが、これほど感染が拡大し、これほど大事になるとは、誰一人想定できなかったでしょう。しかし、ここで何も対応しなければ、いざ必要になった時、恐らく何もできないでしょう。

 

コロナに限らず、ビジネスには常にリスクがつきまといます。リスクを想定することが、リスクをコントロールすることに繋がります。リスクを想定し、社内や職場を改めて見渡すと、どのような対処が必要かも見えてくると思います。

 


出典:


テレワークの普及率:パーソル総合研究所HP https://rc.persol-group.co.jp/news/
202004170001.html
スターバックスの事例:「習慣の力」(チャールズ・デュヒッグ著、渡会圭子訳 講談社)